仮想通貨市場は月曜日に大規模な強制清算に見舞われ、約6億4600万ドルのレバレッジポジションが一掃された。
- 大量清算の発生: 月曜日の市場で大規模な強制清算が発生し、約6億4600万ドル(約970億円)相当のレバレッジポジションが消失した。
- 取引所の状況: バイナンス(Binance)、Hyperliquid、Bybitの各取引所でそれぞれ1億6000万ドル以上の清算が発生し、その約90%がロング(買い)ポジションであった。
- 価格への影響: 市場心理の悪化と流動性の問題が重なり、ビットコインは5%以上、イーサリアムは6%以上急落した。
月曜日の早朝、暗号資産(仮想通貨)市場は新たな強制清算の波に襲われ、主要取引所全体で約6億4600万ドルのポジションが一掃された。これにより11月末からの痛手はさらに深まり、ビットコイン、イーサリアム、および大型アルトコインの下落幅が拡大している。
清算の規模と内訳
Coinglassのデータによると、清算されたポジションの約90%がロング(強気)ポジションであり、単一の注文で最大だったのはバイナンスでの1448万ドルのETH-USDC注文だった。
バイナンス、Hyperliquid、Bybitの3社はそれぞれ1億6000万ドル以上の清算を記録しており、アジア時間のセッション中に偏っていた大量のポジションが一気に崩れたことを反映している。
これほど大規模な連鎖的な清算は、市場のセンチメントが一方向に過熱した際に見られる極端な状態を示しており、しばしば価格反転の前兆となることもある。
主要銘柄の価格動向
ビットコインは5%以上下落して8万6000ドル付近となり、イーサリアムも6%以上下げて2815ドル付近まで後退した。両銘柄とも先週末には緩やかな反発を試みていたが、強制的なポジション解消の動きにより、価格は11月のレンジ下限へと押し戻された。
主要アルトコインも同様に打撃を受けている。ソラナ(SOL)、XRP、BNB、ドージコイン(DOGE)は4%から7%下落し、カルダノ(ADA)やLido Staked Ether(stETH)はさらに大きな損失を記録した。
下落の要因と今後の見通し
トレーダーらは、市場の流動性が薄いことや、継続するマクロ経済の不確実性が値動きのスピードを加速させたと指摘している。市場は11月後半以降、マクロ的なシグナル、ETFからの資金流出、週末の薄商いが重なり、数週間にわたって積み上がったポジションの解消(巻き戻し)に苦しんでいる。
月曜日の急落は、今年に入ってからの売り浴びせと同様のパターンをたどった。すなわち、過度なロングポジションが抵抗線で積み上がり、資金調達率(ファンディングレート)が変化すると、強制的な売りが連鎖し、数時間のうちに主要資産を押し下げるというものだ。
ビットコインとイーサリアムの無期限先物における建玉(オープンインタレスト)はさらに減少しており、10月の上昇局面で構築されたレバレッジの一部が引き続き解消されていることを示唆している。
トレーダーらは、ポジション状況は以前より整理された(クリーンになった)と見ているものの、リスク選好度は依然として脆弱であるため、米国市場が開いて流動性が改善するまでは、日中のボラティリティが高い状態が続くと予想している。


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